『シティ・オブ・ゴッド』のMTV映像

シティ・オブ・ゴッド』はたしかに面白い内容の映画だったけれど、どうもあのMTV風の映像はせわしなさが勝ちすぎていて勿体ないと感じた。僕は映像的な技法は物語的な必然性を伴って用いられてほしいと期待する観客なのだけど(だから例えば『ダンサー・イン・ザ・ダーク』などは支持する)、あの映画の落ち着きのない映像と作為的なカメラワークは何度も肝心の場面を遮っていて、その「物語的な必然性」の限度を超えていた気がする。

このあたり、自分の感覚が特殊なのかどうか、他の人の意見が気になっていたので、Cafe OPAL の記事が興味深かった。

ちなみに、上のリンク先の店主氏の感想は、軽妙な語り口が題材の深刻さを薄れさせてしまうと指摘している。でもこの映画はもともと娯楽作品として快調に語りきることが作者の意図(ある意味では仕掛けられた「罠」)だろうから、別にかまわないのではないかと思った。