2004-07-01から1ヶ月間の記事一覧

ジーン・ウルフ『ケルベロス第五の首』

bibid:02461568 The Fifth Head of Cerberus (1972) / 柳下毅一郎訳 / 国書刊行会 ISBN:4336045666面白く読めたし、凄い作品なのだろうと思うけれど、この手の文学的に書かれたSF小説を読むとどうも、これを遠い異星というSF的な舞台設定でやる必要はあった…

ホセ・カルロス・ソモサ『イデアの洞窟』

bibid:02463098 La caverna de las ideas (2000) / 風間賢二訳 / 文藝春秋 ISBN:4163231900古代ギリシャを舞台にした探偵小説に、翻訳者が「直感隠喩法」なる怪しい文学理論にもとづいた電波読解の脚注を書き付けていく……というメタフィクション小説。予想通…

20040728

○http://www.casa-esperanza.net/ 7月31日から公開。ジョン・セイルズ監督の新作が久々に日本で劇場公開されるのは嬉しいんですが、正直見に行くべきなのか微妙な内容のような……。

『ユリイカ』2004年8月号: 特集「文学賞 A to Z」

『小説トリッパー』に続いて『ユリイカ』も文学賞特集。看板の記事は大森望・豊崎由美の『文学賞メッタ斬り!』コンビと島田雅彦による「Z文学賞」。対談の内容はそこそこ面白かったけれど(特に島田雅彦の発言は「一人称から三人称に転換するのは作家にとっ…

『オープニング・ナイト』

Opening Night (1978) / 監督: ジョン・カサヴェテス冒頭から影を落とす死んだ少女の話は良くできていると思うけれど、劇中劇もので作中の演劇が見たいと思えないものだとつらいな。前作の『こわれゆく女』もたしか精神不安定なジーナ・ローランズに周りの人…

ヤン・シュヴァンクマイエル短篇集

渋谷シアターイメージ・フォーラムのhttp://www.imageforum.co.jp/svank/、Fプログラムの短篇集を鑑賞。上映作品は以下の通り。自然の歴史(組曲) / 部屋 / 対話の可能性 / 地下室の怪 / 陥し穴と振り子 / 男のゲーム / セルフポートレート / 闇・光・闇ど…

20040725

○http://www.h4.dion.ne.jp/~wsdsck/contents/joze_to_tora_to_sakanatati.html(7月31日〜8月6日) 『オアシス』は見逃しているので気になる。(http://6928.teacup.com/mastervision/bbsより)○というか評判を耳にするにつけ、『ジョゼと虎と魚たち』に足…

20040724

○http://d.hatena.ne.jp/machizo3000/20040723#p1 TVで本人が自己紹介しているのを聞いたら「キルステン・ダンスト」が一番近そうだったのでこの表記にしています。(しかし、彼女は果たして美人なのか、ということに比べたらごく些細な問題のような気もする…

筒井康隆『富豪刑事』

新潮文庫 ISBN:4101171165大富豪の跡取りである刑事が、金に糸目をつけないスケールの大きな捜査方法で事件を解決する。いまさらながら、軽く読めて「特殊探偵」ものとして面白い作品集。冒頭に登場するのが「アルフレッド・ヒッチコックそっくり」の警視な…

『青山真治と阿部和重と中原昌也のシネコン!』

bibid:02456253 リトル・モア ISBN:4898151329三人の映画談義本。三人とも好みが似通っていて、それを他人に啓蒙しようとする気もないようなので正直なところあまり面白くない。ジョン・カーペンターとブライアン・デ・パルマを、時代錯誤だけれど愚直で愛す…

上島春彦・遠山純生『60年代アメリカ映画』

bibid:02010381 エスクァイアマガジンジャパン ISBN:4872950763『俺たちに明日はない』の1967年からニューシネマ革命がはじまった、というような史観ではなく、1960年代の10年間を射程にして、「赤狩り」映画人の復権、ヘイズコードの撤廃、暴力描写の発展な…

Bloglines

web

はてなアンテナの代替というわけでもないけれど、最近はRSS対応のウェブサイトはどちらかというとhttp://www.bloglines.com/で更新をチェックすることが多い。見出しだけ斜め読みしたりもできて便利。RSSリーダーは自分のPCで動かす形式のもいくつか試してみ…

20040720

○いまさら知ったのだけど、はてなアンテナにはhttp://a.hatena.ne.jp/checkというのも用意されていたのか。これを使ってみたら更新が反映された。(はてな側の自動巡回が滞っているのかも)○http://homepage3.nifty.com/sugiemckoy/diary/200407-3.html#2004…

マーティン・ベッドフォード『復讐×復習』

ASIN:4594026095 Acts of Revision (1996) / 浜野アキオ訳 / 扶桑社ミステリー文庫 ISBN:4594026095ぼくの名はグレゴリー・リン。三十五歳。孤児で独身で四歳半のときから一人っ子。……と語りはじめるサイコ犯罪者の一人称小説で、すごい傑作とは思わないけれ…

『ザ・プレイヤー』

The Player (1992) / 監督: ロバート・アルトマンハリウッドの虚実を描いた業界内幕もの……かと思ったら、筋書きは普通のサスペンスだった。最後に何とか映画の話を絡めて帳尻を合わせているけれど、それまでは別にハリウッドが舞台じゃなくても成り立つよう…

『群盗、第七章』

Brigands: Chapitre VII (1996) / 監督・脚本: オタール・イオセリアーニオタール・イオセリアーニ特集上映「http://www.bitters.co.jp/otar/index.html」にて鑑賞。カルヴィーノの『冬の夜ひとりの旅人が』みたいな枠物語を使って、中世・ソ連時代・現代の…

阿部和重『映画覚書 Vol. 1』

bibid:02444056 文藝春秋 ISBN:416365920X阿部和重の映画批評集。書店で覗いてみたら、スティーヴン・ザイリアン監督の『ボビー・フィッシャーを探して』を論じているのが目に留まったので購入してみた。その『ボビー・フィッシャーを探して』評は面白かった…

『スチームボーイ』

ASIN: 4048537644 2004年 / 監督: 大友克洋主人公が宝物(「スチームボール」)をめぐる争奪戦に巻き込まれ、それを軍事兵器に利用しようとする組織に狙われる……という宮崎駿の『ナウシカ』『ラピュタ』みたいな話を、歴史上のヴィクトリア朝英国を舞台に展…

20040717

○奥田英朗『空中ブランコ』ISBN:4163228705、地元の図書館を覗いてみたらすでに「予約数: 47」になっていて、さすがに直木賞の影響力はすごい。

20040716

○http://www.asahi.com/national/update/0716/008.html 伝説的なチェスの名手、ボビー・フィッシャー氏は日本にいたらしい。といっても僕は映画『ボビー・フィッシャーを探して』で名前を知っていた程度だけれど。○『ボビー・フィッシャーを探して』(http://…

20040715

○折原一氏の日記http://homepage3.nifty.com/orihara1/diary.htmで紹介されている、http://www.bunshun.co.jp/book_db/html/3/23/19/4163231900.shtmlISBN:4163231900。作中作もので翻訳者が出しゃばって脚注を書き付ける話、というとナボコフの『青白い炎』…

『ムッソリーニとお茶を』

Tea with Mussolini (1999) / 監督: フランコ・ゼフィレッリマギー・スミスの演じる気位の高い老婦人とシェールの演じる大らかな女性が、それぞれイギリス人とアメリカ人を代表する。このふたりを軸にして、戦時下のフィレンツェを舞台にした人情話が展開さ…

20040713

○http://d.hatena.ne.jp/BaddieBeagle/20040713#1089691187。扶桑社ミステリーで8月刊行予定。代表作とされる "The Burnt Orange Heresy" ですね。以前『ミステリマガジン』増刊号で滝本誠氏が熱烈に褒めていて、訳されるのを楽しみにしていた作品なので期待…

『ヘルハウス』

ASIN:B0002E4F5A The Legend of Hell House (1973) / 監督: ジョン・ハフ原作・脚本がリチャード・マシスンなので期待して見たのだけれど、ごく普通の幽霊屋敷ホラーに思えた。まあ、後発の作品に模倣されすぎたというのはあるのかもしれない。科学者と霊媒…

『文學界』2004年7月号

たまたま図書館に行ったら貸出可能になっていたので、時期外れだけどいくつか記事を拾い読みした。阿部和重インタビュー「世界解釈としての映画批評」:映画批評集の『映画覚書 vol.1』 ISBN:416365920Xのでその話。いまなら言えるけどメル・ギブソンこそがイ…

20040710

○http://www.movabletype.jp/archives/2004/07/movable_type_30_1.htmlが出たので導入してみた。○http://bm.que.ne.jp/review/?%A5%A4%A5%D9%A5%F3%A5%C8%2F%B0%A4%C9%F4%CF%C2%BD%C5%A1%DC%C0%C4%BB%B3%BF%BF%BC%A3%A5%C8%A1%BC%A5%AF%A5%B7%A5%E7%A1%BC%A1…

20040708

○http://www.excite.co.jp/book/news/story/?channel=0002&code=00021089261168 両賞合わせて候補作は伊坂幸太郎『チルドレン』しか読んでいなかった。まあそんなもんか。○http://d.hatena.ne.jp/hibiky/20040708#p3 ハスミン派の論者が仲間内にしか通じない…

ダフネ・デュ・モーリア『破局』

The Breaking Point (1959) / 吉田誠一訳 / 早川書房異色作家短篇集ばやりの昨今なのに、実は本家「異色作家短篇集」を読んでいなかった、ということでデュ・モーリアの巻を補完。「アリバイ」: 主人公の怪しい語り、絵画をめぐる描写がいびつで面白い。ミス…

『ミドルセックス』絶賛とトルコ包囲網

bibid:02424853ジェフリー・ユージェニデス『ミドルセックス』がhttp://bm.que.ne.jp/log/?date=20040705#p01で褒められていて、面白い小説なのにあまり読んだ感想を見かけなくて残念だなと思っていたので嬉しい。他で僕が感想を見かけたのはhttp://park8.wa…

望月諒子『神の手』

ASIN:408747691X 集英社文庫 ISBN:408747691X失踪した作家志望の女性をめぐる話。最近、国産の娯楽小説をあまり読んでいなかったせいか、書法に慣れるのが難しかった。三人称叙述でAという人物の視点なのに別のBという人物の内面が蕩々と代弁される、つまり…