「反アメリカ小説」の古典をいま読む意味

最近活躍の著しい仲俣暁生氏の『キャッチャー・イン・ザ・ライ』評。初出の「Invitaion」の時に読んで面白かったけれど、たしかに村上春樹への影響を断じていたくだりは気になっていた。ちなみに村上春樹は『サロン・ドット・コム』邦訳版でサリンジャーの項を追加執筆していて、『キャッチャー〜』(というか『ライ麦』)は高校生の頃にいちど読んだきりだった、というようなことを書いている。(ただし、村上春樹といえば「やれやれ」と韜晦の人であり、およそ自分が影響を受けた対象を素直に明かす作家でもなさそうな気がする)