『海辺のカフカ』評(ふぬけ共和国・マンガ)

村上春樹の作劇法をひと言で言ってしまうと、「ありきたりな物語を一度解体して、もう一度組み立て直すときに完全にきっちりと組み立てない」

という指摘は的確だと思う。たぶんそれが一番わかりやすいのは最初の『風の歌を聴け』ですかね。(斎藤美奈子の『妊娠小説』で時系列を復元した詳細な解読がなされていて面白かった)

「ふぬけ共和国・マンガ」(http://picnic.to/~funuke/)は漫画評中心のWebサイトのようですが、たまに掲載される小説評も鋭くて面白いです。ナボコフ『ロリータ』評(http://picnic.to/~funuke/comic02/turezure112.html#lolita)とか。ナンシー関追悼の文章(http://picnic.to/~funuke/comic02/turezure061.html#nanc)も興味深かった。