文学賞について(1)

ところで、日本の特に娯楽小説系の新人賞(江戸川乱歩賞など)で前から疑問だったのが、たいてい受賞作をハードカバーで出版していること。受賞作とはいえ得体の知れない新人の作家の小説を、それなりに高価なハードカバーに金を払ってまで読みたいという人は、余程の物好き以外にはあまり多くないのではないだろうか。(実際、読んでみてもたいした内容でなくて「図書館で借りて良かった」と思うことが多い。これは賞のレベルにもよるだろうけど)

アメリカなどでは新人のころは廉価版のペイパーバックで書いて、売れるようになるとハードカバー作家に「格上げ」されるという印象があるのだけど、日本だとそうはならないのかな。

その点、受賞作がもれなく講談社ノベルスから出版されて気軽に買えるメフィスト賞は理に適っている。話題になるのも当然なのかなという気がする。